でっかいどーほっかいどー

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1998年6月29日。今年もまた北海道へ行こうと思い、早朝に自宅を出ました。 JAS の羽田発札幌行き1便に乗るなら、本当に始発電車で行かないと間に合わない のです。本当なら28日のうちに札幌に行っておきたかったんだけど、28日には ちょうどオルゴール博物館で演奏会があるということで予定をずらしたのでした。

横浜の YCAT (Yokohama City Air Terminal) からバスに乗り込み羽田空港を目指 します。朝も早いというのに補助席まで使っているくらいの混みようでした。 羽田空港では大きな荷物を持った人が思い思いの格好で搭乗便を待っています。 私は JAS の第2便だったために、すこしだけ時間が余りました。この時間を 利用して、帰りの航空券をと思いカウンターへ。帰りの便は7月5日の最終便に したのです。

何度目かのフライトは揺れも少なく快適でした。「札幌地方は霧雨、気温は17度 です。」という機内放送にびっくりしていましたが、千歳に着いてみるときれいな 青空さえ見えていました。ただ風が強くて気温が17度以下に思えたけれど。 千歳空港から長い長い通路を渡ってJRの駅へと向かいます。新千歳空港駅は、 まるで宇宙の感覚(行ったことないけど)でした。ブルーの天井に電飾が散りばめ てあります。天空に拡がる星空を 見ているようです。壁は真っ白で、柱は真っ赤。 そのコントラストが印象に残っています。みどりの窓口で乗車券を買い求め ホームへ。すでに発車のベルが鳴っていました。 札幌からはすぐの高速バスで羽幌へと向かいます。天売島へと渡ってみようと思っ ていたからです。

札幌駅から約3時間半の高速道路のバス旅です。前に乗ったときには留萌まで 乗務員さん(ガイドさんじゃないです)が乗ってらして、おしぼりやお茶のサービスを してくださったんだけど、今日は乗っていらっしゃいませんでした。途中、 雨竜のドライブインで一度だけ休憩をして目指すは羽幌!。海岸線を走っている ので海が良く見えます。空は申し分無いほどに晴れ渡っていますが、海面には 若干白波が目立つようです。

快晴の羽幌港に着いた私は、まもなく乗れるだろう高速船を待っていました。 乗船券を購入しようとしたとき、係の方からのひとこと「今日は風が強くて 時化てるから、欠航するかもしれません」だって。「えーーーーっ! うっそぉーーー!」思わず大声を上げてしまったので、係の方の周りには 人垣ができてしまいました。

この高速船は今日の最終便。もし欠航になってしまったら今夜の宿が...!


つづく

Written by Marumi.