列車は最初の橋「下津井瀬戸大橋」を渡ります。この橋の中間地点が岡 山県と香川県の県境です。程なく次の「櫃石島(ひついしじま) 橋」です。次に渡るのが「岩黒島橋」。先の櫃石島橋とこの岩黒島橋は、 鳥が羽根を広げたような形をしていて「斜張橋」と呼ばれています。これ は主塔からケーブルを何本も垂らしているためそう見えるんです。 しかしこの眺めは橋の中を通っている列車から堪能することは出来ません。 途中の与島から出る観光船(咸臨丸:かんりんまる)からなら、これを確認 することができるでしょう。
続いて、与島を高架で抜けます。上を走っている道路で一般車が唯一 降りることが出来る島でもあります。ここにはフィッシャーマンズワーフや観光船 から観光ヘリまであるんです。
次に列車は「北備讃瀬戸大橋」を渡ります。海面からの高さが65メー トルもあり大型船でも航行出来るようになっているということです。列車からは見 ることが出来ませんが、北備讃瀬戸大橋と南備讃瀬戸大橋をつなぐ橋 桁のところには、見るも無残な姿になった「三つ子島」があるのが わかるでしょうか。この島があったお蔭で現在のルートが可能になった んだそうです。小さな小さな島ですが、こんなでっかいものをしっかりと 支えているんですね。その「南備讃瀬戸大橋」に列車はかかります。最前部から 見ていると、橋がたわんでいる様子が見えます。対面から列車の屋根 が見え、そして全体が見えるんです。これは、南備讃瀬戸大橋が列車の 荷重で5メートル程度たわんでいるからなんだそうです。このようなた わみもしっかり計算され尽くしているんですね。長さ1723メートル もあれば、たわみは当然でしょうけど。
瀬戸大橋を渡り始めてから渡り終えるまで、時間にして8分弱。世 紀の大プロジェクトである瀬戸大橋を渡るにはあまりに短い時間 に感じました。帰りには、坂出から児島へとバスに乗り、児島へ向 かい道路からの瀬戸大橋を眺めようと思っています。列車から見たような、 あの橋脚ばかりの景色とはまた違った景色を見ることが出来るでしょう。
バスの最後部からの眺めは、もう、筆舌に尽くせないという状態でしたよ。