◆私の好きな鉄道風景◆ −6−

私の好きな鉄道風景
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瀬戸大橋を渡り終えた私は「マリンライナー」の終着駅の、高 松駅にいました。駅構内の讃岐うどんの店で讃岐うどんをかきこむと、 慌ただしく改札を抜けました。JR高松駅から国道30号線を横切ると、 そこは高松築港駅です。この駅は「玉藻城」とも呼ばれる「高松城」の公 園内にあります。これから私は「高松琴平電気鉄道(通称コトデン)」 に乗車し、琴平まで行くつもりです。

電車の内部は油引き間もない木造列車。城の堀に沿って電車は走 ります。途中「瓦町駅」は志度線と長尾線の分岐駅です。その まま電車は名勝栗林公園を通ります。ここ「栗林公園(りつりんこうえん)駅 」から先は単線区間、のどかな雰囲気になるかな?

車内には学生の姿も見受けられます。高松藩主の菩提寺である「法然 寺」も、ここにあります。木造電車にはあまり似つかわしくないように 思うんだけど、乗客の乗り降りは結構激しいです。しかし一宮駅を過 ぎると一変してようやくローカル鉄道の雰囲気を持つようになります。 膨らみかけた稲の香りが車内に漂ってくるようです。

岡田駅は私が行った当時無人駅で淋しかったけれど、レオマワールドが建設された 現在、どのように変わっているんでしょう?。この辺りは古墳や伝説が豊 富にあるといいます。また羽間駅付近まで来ると両側の景色に多くの池 が目に入るようにもなります。あの空海ゆかりの満濃池も、ここにあるのです。

しばらくするとお寺の形にしつらえてある終着「琴電琴平駅」に到 着しました。高松築港駅から約1時間の旅です。琴平駅前にはタクシ ーが列を成していました。その一台に「金比羅さんまで」というと「歩 いて行った方がいい」と言われわざわざ道案内までしてくれました(運転手 さん、ありがとうございます)。金比羅宮への参道の長い長い階段に 私はちょっと挫折感…。この参道には「讃岐一刀彫り」の土産品を売る 店が軒を並べていました。

この頃、琴平は夕闇が迫っていました。私は夕日の沈む瀬戸大橋を体験 するべく、JR琴平駅へと向かったのです。乗車した列車は「特急南風」 です。「南風」と書いて「なんぷう」と読むんです。宇多津駅から分岐 し、夕日の輝く瀬戸大橋を、列車は自慢気に走り抜けているようでした。

今日の宿は高松に取っていました。したがって私は、再び列車に乗り、高松へ と急ぎます。讃岐うどんが食べたい旨伝えておいたためか、うどんも盛 ってありました。

歯ごたえがあって、とってもおいしく感じたのは、 おなかがすいていたからだけではないはずですよね。

−6−完−
Written By marumi.