◆私の好きな鉄道風景◆ −7−

私の好きな鉄道風景
−7−


1990年3月10日、「もっと」というキャッチフレーズでダイ ヤが改正されました。このとき東京−蘇我間に京葉線が全通したわけです。 3月9日の東京駅の京葉線への通路には、まだ白布がかけられ、その隙 間からは係員が横行しているのを垣間見ることができました。 明日、この白布が取り払われた新線に乗車して、どんな感じを受けるのか ものすごく興味があって、私も明日乗車してみようと思ったんです。 最終電車が東京駅を発車します。駅員さんは総動員で料金表などに貼 ってある紙を剥いでいきます。明日は京葉線の開業日...

3月10日の山手線のアナウンスは少し変わっていました。東京駅に着 くとき「京葉線」が追加されていたからだと思います。それに京葉線の アナウンスのところだけは、間違えないようにかどうかは知りませんが ゆっくりとしたものでした。

東京駅に降りた私は昨夜白い紙が貼ってあった案内板をみてあいた口が ふさがりませんでした。そこには京葉線の標準時刻表が貼付されている のですが、その下方に朱書きで「ここからのりばまで約10分かかりま す」とあったからなんです(現在はこの表示はありません)。私の他にも、 この記述を見た人が「やれやれ」とため息を漏らしていました。

しばらく歩くと広場があります。「ここから先禁煙」となっていました。そ こは京葉プラザというものがあります。そこからさらに下へ長いエスカ レーターがあります。その先には「動く歩道」が3基も直列に設置され ていました。東京駅とは名ばかりで、実は有楽町駅なのではないかと思 うほど遠かったぁ...。この乗換時間があっても「レジャーにイベントにグ ーンと便利になりました」と宣伝していることにおかしささえ抱い たのは私だけでしょうか。動く歩道から更に地下へと潜ります。いったい どこまで行けばいいの〜って感じです。

ようやく到着した ホームにはカメラを持った人が群がっていました。京葉快速蘇我行きは赤い ラインが引かれていました。潮見駅の手前で列車は地上へと出ます。高架を走り 「東京ベイシティライン」という名の通り海が間近に見えます。 新木場駅では地下鉄の乗り入れでも考えているかのように軌道敷が広く取って ありました。舞浜駅の正面には有名なTDLがあるんだけれども車内放送は ありませんでした。一瞬上りと下りの線路が離れたかと思うと北へと分かれ ていきます。ここは二股新町駅。三角形の底辺に作られた駅で、見ていると なんだか可哀想な駅に思えてしまいました。東京から西船橋方面へ行く電車は 目の前を通りながら、二俣新町駅には寄りませんし、西船橋から習志野方面 へ行く電車も目の前を通りながらこの駅には寄りません。新習志野駅から 海浜幕張駅までなぜか線路が離れています。海浜幕張駅の近くには幕張メッセ が見えました。

蘇我駅では開通を記念してという名目で立ち食いそば屋が割引セー ルを実施していました。同時に、みどりの窓口でも「記念乗車券」なる ものを発売していました。値段は京葉線の全駅の大人の入場券(蘇我駅 のみ子供用)で1990円です。年号に合わせたのでしょうね。東京 から蘇我まで46分間720円の通勤列車の旅は、こうして終わります。

−7−完−
Written By marumi.