北神急行は私鉄です。そして面白いことに、駅を２駅しか所有 していないんです。しかしそのうちの新神戸駅は地下鉄との相互所有なので、 実質１駅しか所有していないということもできるわけです。その唯 一の駅は、「谷上（たにがみ）駅」。新神戸駅から谷上駅まで約８ 分で走り抜けるんですね。当然、六甲山を貫いているので途中駅など意味を 成しません。まっしぐらです。新神戸駅で乗務員が替わります。ここか らはテープによるアナウンスです。窓の外はトンネルの壁しかな いはずだけど、注意していると蛍光灯の色が微妙に変えてあるこ とに気づくんじゃないかしら？。淡いブルー・淡いピンク・ホワイト などなど。闇の中の一興ですね。また、中間地点には、窓に映るイメージがア ニメーションのように見える型抜きの蛍光灯があります。リスとハトです。 イタチとカラスじゃないですよぉ。

この北神急行電鉄は、全長７.５km。そのうち、トンネル部分が ７.２km もあります。残りの３００m は、谷上駅の長さなのです。 だからこの長さは私鉄で日本一長いトンネルなわけです。列車は 勾配を上り続けて谷上駅に到着しました。実は、谷上駅から新神戸駅へ 向かう列車に乗車した方には、あるサービスがあります。

谷上駅を列車は発車します。地下鉄の西神中央行きです。やはりテ ープによる案内があります。中間地点には、往路に見た蛍光灯があって それを過ぎたとき、進行方向左手に注目しててください。某ソフト会社提供 の電光アニメーションが見えると思います。このイメージは毎月変 わるものですが、青函トンネルにある「ドリームサイン」と同じ、 網膜の残像現象を利用した物があるんです。私鉄でこれを採用したの もここが始めてなんだそうです。私が乗車していたときには、風船が舞い上がり、 膨らみ、破裂。そして「次は新神戸」という文字に変わると言う物でした。

この北神急行電鉄が開通するまでは、神戸電鉄で新開地駅まで行き そこから三宮へと回り、バスで新神戸駅へと向かう経路でした。 この線の開通により、６０分かかったところが、１０分に短縮され たのです(画期的ぃ)。実に６分の１です。

谷上駅の駅長室には、スタンプが設置してあります。駅や列車が描かれ ているが、そのどれもに目や口があり、にこやかに微笑んでいます。 私が幼稚園から小学５年生まで通った谷上駅の面影はなく、今は綺麗な 高架駅となっていました。