◆私の好きな鉄道風景◆ −14−

私の好きな鉄道風景
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京都府の端の山科駅を列車は通過しました。この列車は大阪始発のスー パー雷鳥。雷鳥は、山科駅から湖西線を走り、北陸本線を駆け抜けます。 山科駅の通過は優等列車からだといったいどこがそうだったのか よくわからないかも知れません。線路が入り乱れていて、まるで車庫の 中を走るような感じを受けるから...。

スーパー雷鳥は、実は湖西線の各駅には一切停車しません。通過する 車窓からの風景を見るだけです。唐崎駅あたりで右手に琵琶湖が 広がってきます。比叡山も左手に見えてきます。しばらくすると比較的 大きな高架駅、堅田(かたた)駅を通過。右手正面に琵琶湖タワー や、琵琶湖大橋が見えてきます。この駅では折り返し設備があるため か、新快速の一部はこの駅で折り返しがあります。

この付近、真野という海水浴場(湖なので湖水浴場が正確な言い方かしら?)が あります。私も学生の頃、一度だけここで泳いだ経験があるなぁ。 和邇(わに)という駅も高架です。湖面が本当によく見えます。 通過する列車からこの駅の漢字を読み取ることは、画数が多すぎて ほぼ不可能でしょうね。略字では「和迩」とも書くそうです。これならまだ 見えるかも。左手には「蓬莱山」が見えます。山肌にはパイプラインやゴン ドラのようなものも見え隠れしています。

近江舞子駅あたりからも高架が続きます。琵琶湖湖面を間近に見下ろす ことができます。今日は風が無いようで、凪いだ湖面が光って見えています。 安曇川の影響で堆積した平地を走行して「安曇川(あどがわ)駅」 を過ぎます。この線の特徴として言えるのは、全体的に高架が多く、 また退避設備(各駅停車のような列車が特急列車などに追い越される ことができる駅)の整った駅が多いということかな。さらに進むと、昭 和30年に片仮名の町名を採用したことで有名な「マキノ駅」を通 過します。

永原という駅を過ぎると城山トンネルです。このトンネルを抜け ると、突然車内の明かりが消えるんです。ここは、直流電流区間から交流 電流区間へと切り換える、いわゆるデッドセクション(死電区間) というところです。周波数の違いなどでこういうところがいくつもあるんですよ。 右手から北陸本線が近づいてくると、近江塩津駅です。 新疋田(しんひきだ)駅を通過すると、上り線は下り線の右側に出 ます。そこからトンネルに入り出るといつの間にか上り線が左に見え ます。しかし上り線と下り線とはかなりの高低差があります。上りはトン ネル内で大きく左にカーブしています。トンネルを出ると、ある線路 を跨ぐんです。果して今跨いだのは何だったのでしょう?。時刻表の扉の索 引地図にも記されていますが、上り線は、ここの急勾配のためにルー プ線となっています。そしてここで下り線を跨ぐのです。

対して、私が乗車している下り列車は、このループ線を通ることな く、上り線の下を90度の角度でくぐることになるわけです。帰りには各 駅停車でこのループ線に乗車してみたんだけど、イマイチ実感はなかったなぁ...。

−14−完−
Written By marumi.