この車両は11両編成の山手線の10号車のみに連結されています。 6枚扉車を連結した電車の前後には6扉車が付いていることがわか るようなステッカーが貼ってあります。6枚扉の車両に乗車した私は、 貨物列車に紛れ込んだかのような錯覚に陥っていました。椅子が折り 畳まれています。その椅子のところには、「午前10時まで座席は使 用できません」と書いてありました。
そのかわりに、やたらと吊り革が多いのに気付きます。つかまり棒の ようなものもありました。そして、何より違うのは、文字放送を放映 していることです。最初、文字だけのニュースなどを見ていたために、 動画は映せない物だと思っていたのですが、CMのようなものが流れたと き、その考えは間違っていることに気づいたのです。さすがに音は出て いませんが、確かに動いていました。
あの液晶モニタですが、架線から発生しているかもしれない磁力をうまく 抑えて画像を出しているんでしょうね。その画面上では、天気予報なども 放送されていました。座席近くの人々は折り畳まれた座席のわずかな突起 に腰掛けていました。
午前10時をまわったとき、車掌さんから「ただいまから座席がご利用 になれます。座席脇のボタンを押していただければ座席がセットで きます」という案内が流れました。でも、この座席は一度セットする と乗客の手では折り畳めないのだそうです。半自動座席というところ かな。
この座席の折り畳みによって、輸送人数が増えたかというとそうで
もないそうです。わずかに数十%の増員が図れただけだという話を聞きます。
乗客の間からは「貨物列車に乗せられているみたいで気持ちが悪い」と
この車両を敬遠する人もいるそうです。このために、10号車は、ゆとりが
あり、他の車両は寿司詰め状態という、不思議な現象もあるんですよ。
立っていても苦にならない方は10号車をお勧めします
全員が立っているためか、席の譲り合いや、席の取り合いという醜 い光景はありません。乗客のほとんどの目は、文字放送のモニタ に向いています。ドアの数も多いので乗り降りも楽です。 欲を言えば、あの座席、もうすこし柔らかければいいのにな。