果して、最後部の車両の、なんと、最も後ろの席を確保することが できたのです。つまりは、過ぎ去っていく景色をまのあたりにできるわけ です。
最後部の車両と、前部の3車両は2階建てとなっています。うち2号 車だけは、1階が個室グリーン車で2階が普通グリーン車です。 最前部は、2階が禁煙自由席で、1階がサロンカーになっています。 このサロンカーで喫煙することも出来ます。
私が乗車した最後部の1階には、子供室というものがあります。5番の 座席の横には1階へ下りるための小さな螺旋階段が取り付けられて います。この階段を伝って下へ下りると、そこはまるでおとぎの世界 でした。赤やピンク、グリーンに黄色のレザーシートが置かれ、テ レビではアニメーションのビデオを放映していました。すでに何人かの 子供たちがテレビに注視していたのですが、突然の私の闖入にはまったく 意識していないようでした。
子供たちは突然はっと我に返ると、螺旋階段を駆け上がっていきます。 そして2階へあがると、母親の姿を認めてまた帰ってきます。不意に 電車が動き出し、側に母親がいないことを不安に思ったのでしょうか。 帰ってきた子供たちの顔は、再びテレビに吸い付けられました。
子供室の奥には、授乳室というものが設けられています。別に、ドア
があるわけではなくて、ちょっと奥まったところにあるだけのことで
す。落ち着いて授乳できるのかな?と思ったのですが「母は強し」ですね、
お構いなしでした
列車は、山手線から東海道本線へと合流します。この合流するための 路線は、時刻表には記されていません。実は、大崎駅から貨物線へと 入り、品川駅を通らずに東海道本線へと合流するのです。谷間の 単線路を走り、東海道本線へ合流する様子を、私は最後部の座席で確 認していました。
今日は、伊東まで行って引き返すことにしようっと...