ここは、小泉今日子さんがＣＭで「空港の真下まで乗り入れました」と 駄洒落を言ってた成田空港駅(当時、空港第２ビル駅はありませんでした)です。 私はここから新宿までのグリーン席特急券を購入しました。 乗車列車は、成田エクスプレスのグリーン車。ちょっと奮発という感じがしない でもないです。

白と黒と赤で彩られた車体はすでに空港駅に入線していました。成田エ クスプレスを意味した「Ｎ’ＥＸ」という大きな文字が横腹に記され ています。外から見ると、車の窓硝子に貼るようなスモーク式の硝子 になっていて、中の様子が伺えなくなっています。

グリーン車に乗り込むと、座席の間隔がものすごく広いことに、ま ず驚きました。そのうえ、私の乗車したグリーン車は、通路の左右がど ちらも一列のシートだったのです。そのシートが自由に向きを変えられる のです。通常は、やや前方窓側に向けてセットされています。網棚 は…と探すと、これがありません。実は航空機を思わせるような、 ボックスタイプの収納式になっているんです。

入口付近には、冷蔵庫があり、ジュース類は飲みほうだいのようで す。もっともこれは、グリーン車乗車の乗客に限られているのですが。 私はミルクティを２本取り出し、自席へと戻りました。実は、この缶も特製 なのか「Ｎ’ＥＸ」の文字が印刷されています。鉄道ファンならずとも 持ちかえりたい衝動にかられるのではないかしら。

成田エクスプレス号は、成田空港駅を発車します。ゆっくりと弧を描 き、成田駅を通過。この列車の停車駅は「東京駅」「新宿駅」 もしくは「横浜駅」です。東京駅で切り離すのでしょうか。

車内には、電光掲示板が設置してあり、ＬＥＤにて現在の走行地点 を記しています。千葉駅をかすめるように通過して、総武本線をひた はしります。錦糸町（きんしちょう）駅を通過した頃、列車は地下へと入ります。 日本一低いと言われ続けてきた馬喰町（ばくろちょう）駅（現在は、青函トンネル内の 駅が最深）を列車はすり抜けていきます。

東京駅で横浜方面と新宿方面に切り放されて、たった３両になった 成田エクスプレス新宿行きは、山手線の外側の線路を走り快調に新宿へと 向かいます。今日は平日。勤務帰りのサラリーマン達は、通り過ぎる レジャー列車(?)を上目づかいで眺めています。新宿駅で下車したとき、 コンパニオン（女性乗務員）さんが「ありがとうございました」と ほほえんでくれました。