◆私の好きな鉄道風景◆ −37−

私の好きな鉄道風景
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「日本に車両を持たない鉄道はありますか?」というクイズに出てそう な鉄道が、神戸にはあります。それが「神戸高速鉄道」。神戸高速鉄道 は、阪急電鉄、阪神電鉄、山陽電鉄と神戸電鉄の4鉄道を結ぶ鉄道 です。この鉄道は、駅と線路は持っていますが、車両は持っていません。 相互乗り入れのために、各鉄道の車両がこの路線を走るんです。

山陽電鉄方面は、西代(にしだい)駅まで、阪急電鉄方面は、 三宮駅まで、阪神電鉄方面は、元町駅ま で、神戸電鉄方面は、湊川駅までがこの鉄道です。

珍しいことに、線路の幅が神戸電鉄とそれ以外で異なっているため に、神戸電鉄方面と他社線との乗り入れがないことです。新開 地駅から湊川駅方面をのぞむと、明かりが見えます。それほど近距離 なのです。この鉄道が開通し各社が乗り入れを行うまでは、神戸 の市街地で各社の鉄道が完全に分断されている状態でした。市民 のみならず、神戸を訪れる皆が待ち望んでいた鉄道と言えましょう。

阪急三宮駅から、徐々に路盤は下がっていきます。隣にJR軌道がある が、それが益々高く見えるようになります。阪急電車は、このまま地下 へと入ります。そして赤系統に彩られた「花隈(はなくま)」駅に到着です。 花隈を出ると、阪神電鉄との分岐・合流駅の、高速神戸駅 です。別に神戸が高速なのではないです。神戸高速鉄道の神戸駅だから 高速神戸なだけです。この駅からJR神戸駅までは徒歩5分ほどかな。 高速神戸駅の階段を上り、改札を抜けると、鉄道の軌道に沿って地下 道が続いています。この地下道は新開地駅まで続きます。途中にはゲーム センターや、おやつセンターなどがあります。おやつセンターでは明石 焼き(玉子焼き:だしに浸けて食べるたこ焼)も賞味できるところがありました。

阪神三宮駅から出た列車は、元町駅、西元町駅と過ぎます。阪神電鉄は このあたりは地下線なので通過列車には気を使います。特に阪神春日野道駅 などは通過列車が相当な速度で通過するために幅が2メートルほどしかない ホームでは、真ん中にいないと吸い込まれそうになります。黄色い線の内側に 下がると対面の黄色い線を越えてしまうんです。西元町駅を出れば、高速神戸駅 です。

山陽西代駅を列車が出ると、すぐに地下へと潜ります。高速長田、大開 (だいかい)と進みます。西代駅は、駅前にテニスコートがあるために、 中学の頃、ここに兵庫県大会出場や神戸市大会出場などでよく足を運んだものです。

神戸高速鉄道は、阪急・阪神・山陽の各車両が交互に発着している を見ることが出来ます。これは各社が乗り入れているからということ は前述の通りです。阪急・阪神は、須磨浦公園まで乗り入れ、山陽は、 阪急方面が阪急六甲まで、阪神方面が阪神大石まで乗り入れています。 阪急六甲駅では、この乗り入れが要因ともいえる大事故があったのは記 憶に残っているんじゃないですか?。私はそれを間近で見てしまいました。

−37−完−


Written By marumi.