◆私の好きな鉄道風景◆ −41−

私の好きな鉄道風景
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※乗車したことがないので時刻表・道路地図・観光ガイドブック だけでこれを記しています。間違えている部分はご容赦ください。
この鉄道には、実はまだ乗車したことがないんです。乗車したことがなくても 書こうと思えば書けてしまうということを実証してしまいましょう。 それが空想行脚。それが空想旅行。

この鉄道は、明治31年に開業されました。そのためか、古い木造の駅 舎が多い鉄道です。貨物営業によって繁栄した時代もあったそうです が、今はその面影を残されたレールの数にそういう時代もあったのかな? と雰囲気を読み取る程度になっています。この鉄道は、米原−貴生川(きぶかわ) 間の「近江本線」と、八日市(ようかいち)−近江八幡間の「八日市線」、 そして高宮−多賀間の「多賀線」からなっている「近江鉄道」です。 時刻表を見ると近江本線といわれる米原−貴生川間の列車は少なくて、 米原−近江八幡間が本線のように多くの列車が走っています。 日中の、八日市−貴生川間は、レールバスという一両だけの列車が走るそうです。

JR米原駅に降り立つと、そのわきにこぢんまりとしたホームが見 えます。駅員さんは、7時30分から15時30分までしか改札に いらっしゃらないということで、私が乗車するこの時間は無人でした。 鳥居本(とりいもと)駅を出ると、すぐに新幹線のガードをくぐります。 そしてJR東海道本線に寄り添います。ここが彦根駅。彦根駅の山側に は近江鉄道の車庫用線路が数多くあるのがわかります。 そこに雨ざらしにされた古い機関車や貨車などが放置されていました。

近江鉄道は、JR東海道本線と新幹線の間を行き来しながら進んで います。多賀線との分岐駅である高宮駅は新幹線の軌道のそばにあります。 ここから分岐する多賀線の終着多賀駅は、多賀大社の前にあります。 前と言っても多賀大社までは、歩いて10分。駅前の鳥居が雰囲気を かもし出してくれています。五箇荘駅までは、また新幹線に寄り添って走ります。 スピードで比べると、まさしく向こうは「光」です。ここから八日市までは 「愛知川(えちがわ)」に沿います。八日市駅は近江八幡行きの線路の 分岐駅としてこの鉄道の要衝となっているようです。近江商人もこの辺りで活躍し ていたのでしょうか。

ここで私は貴生川行きのレールバスに乗り換えです。一両だけの可愛 い列車。京セラ前という駅は単線路の途中にポツンとあります。 平成3年に開業したばかりの駅舎ですが、駅前には京セラ工場のための 大きな大きな駐車場があるだけで、乗降客の姿はほとんど見えなかったように 思います。

この辺りから水口(みなくち)町です。貴生川駅を除けば、水口町にある駅 名にはすべて町名が冠されています。水口松尾、水口、水口石橋、水口城南。 このうち、水口城南は平成4年に開業されたそうです。 古い鉄道に新しい息吹を感じた瞬間です。

−41−完−


Written By marumi.