山陽本線には支線があります。本線と言いながらも、一日の列車運行本 数は数本しかありません。それでも山陽本線の一部としての扱いを受けて います。この路線は、通称和田岬線。山陽本線兵庫駅から枝分かれし ている支線です。
なぜ、本線に組み込まれたのでしょうか。それは、次のような理由だという
ことを聞いたことがあります(違うかも知れない
さて、時刻表を見ると、休日などには1日に2本しか列車が運行され ていません。他はすべて「休日運休」となっています。工場への通勤客 を運ぶためだけの列車のようです。
休日の朝早く、私は兵庫駅にいます。山陽本線は高架にありますが、 和田岬線ホームは地上にあります。そこに実に奇妙な気動車が停車 していました。なんと、扉が片側にしかないんですよ。 つまり、和田岬方面に向かって、左側には一切扉がなくて鉄板でふさいで あるんです。これは、兵庫駅も和田岬駅も右側が出入口だからという ことなんでしょうけど、あまりの殺風景さにびっくりしてしまいました。 東京の山手線の座席のない車両にも驚きを覚えた私ですが、 これにはさすがに閉口してしまいました。
1日に2本しかないうちの朝の便は、午前7時過ぎに出ます。 この列車に乗るために、私は自宅を5時に出てきたんです。 兵庫−和田岬間は140円区間です。切符を握りしめ、最後部に 陣取って発車を待ちます。
列車がブォーンという音とともに軋み出しました。木造の列車の床は油
が乾いていました。大きく左にカーブしながら山陽本線の軌道と分かれ
ていきます。しばらく行くと、見たことのあるマークを付けた車両があ
りました。銀杏のマーク、東京都の都営地下鉄の車両が工場に鎮座してい
たんです。あとで聞いたところによると都営三田線の車両じゃないかとい
うことでした。私にはこのへんが良くわからないので...
約5分走ると終点です。距離にして2.7キロ。特にローカル色 豊かな風景があるわけでもないんですが、街の中を走るローカル鉄道。明 日の月曜日には、また多くの乗客を乗せて数回往復するのでしょう。 バスやトラックに変わっていく中で、和田岬線はゆったりと工場へ と続いています。
和田岬駅の改札には改札係の駅員さんがいらっしゃいました。
たぶん、朝夕の列車に合わせて、その時間だけ兵庫駅あたりから
派遣されてきているのでしょうか。私が下車するのを駅員さんは
訝しげに見つめてくださいました