◆私の好きな鉄道風景◆ −46−

私の好きな鉄道風景
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大正元年(1912年)8月25日に越後鉄道が、新潟−吉田(現 在越後線)を建設し、それが弥彦神社への参宮線ということで、大 正5年10月16日に開業した路線が、新潟の弥彦線です。

信越本線の東三条駅に降りると、跨線橋の向こうに島状のホームが あります。線路の入り組んだ中で、そこだけは行き止まりになっています。 東三条駅を出ると、大きく迂回しながら信越本線の下を右にカーブし てくぐります。そうして北三条駅に到着。このあたりの三条市は、 金物の町として有名で包丁などのお店が目につきます。

しばらく進むと燕三条駅です。この駅は上越新幹線との乗換駅と して知られていますが、ただこの駅は元々存在していた駅ではなくて、 新幹線が弥彦線とたまたまここで交差していたために、新幹線開業 の昭和57年に合わせて開業した駅だそうです。駅名は燕三条でも、燕 市にあるわけではなくて、ここはまだ三条市なんです。

ここからすぐで三条市から燕市に入ります。そうして燕駅。ここ は、ナイフやフォークなどの洋食器が主に作られている街だそうです。 この駅からは元小田急の車両などを使って運行している新潟交通が分 岐しています。この鉄道も、元は燕−白山前までだったそうですが、 平成4年に白山前−東関屋間が廃止されたそうです。

話を弥彦線に戻しましょう。燕駅を出て、燕市の北西部の西燕駅を過ぎます。 次の吉田駅は、越後線との交差駅です。こうしてみると、弥彦線は 信越本線、上越新幹線、越後線と3つの線を横切っているんですよね。 ただし、吉田駅では線路自体が交差してるわけではありません。ポイントなどで 結果的にはまたぐ格好になるんでしょうけど...。

さて、吉田駅を出ると急にまたのどかな雰囲気となります。正面には弥 彦山が堂々と見えてきました。周囲はすべて田園風景。稲穂の香りが車 内にまで充満してくるような感覚さえ受けます。こんな中に、矢作駅 (やはぎ)があります。どうみても「やはぎ」とは読めないと思います。 一日の乗降客数436名ということにも象徴されるように、 駅舎は簡易のものでした。

矢作駅をでてから約2キロで終点の弥彦駅です。この駅は、弥彦 神社を模して作られた物なんだそうです。終点と言っても、ホームは 1面しかなく、単線のままでした。

弥彦神社は「延喜式」に列せられる古社で、アメノカゴヤノミコを 祀っています。弥彦からロープウェイに乗り、弥彦山にのぼると、北 に佐渡、南に田園風景が一望できます。

−46−完−


Written By marumi.