◆私の好きな鉄道風景◆ −47−

私の好きな鉄道風景
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函館本線の小樽駅は、カメラを持った人々で賑わっていました。今日は C62ニセコ号という蒸気機関車が走るのです。私もこれが始め ての蒸気機関車体験です。弾む心が隠せないでいました。

C62がその雄姿をホームに横付けしました。あたふたとホームを走り 回り撮影を行なう人々。ここ小樽駅はちょっとした撮影パニック となっていました。私は指定された座席にゆっくりと腰を下ろし出発を 待つことにします。そして午前9時57分C62は汽笛一声黒煙を雄々しく吐 きながら小樽駅を出ました。

車内に目を移しましょう。車掌さんの制服がなんとなくレトロっぽい感じがします。 昔風の制服に、学生帽子のような帽子に金色のラインが入っています。 ここまでの気の配りように感心していた私です。窓を開けて前を行くC62 の姿を撮影しようとしている人に車掌さんが車内改札の際に「小さなお 子さんもいらっしゃるので」と窓を閉めるように要求します。

さて、私はこのC62に連結されているカフェカーへと向かいました。 ここは木目調の茶系色で統一されています。 またウェイトレスさんも白いエプロンに白いヘアバンドをしていて、 とっても可愛かったです。乗客の中には、ウェイトレスさんにシャッター を押してもらいカメラに収まっている人もいました。私は、このカフェカーが UCCと提携しているというのでコーヒーを注文しました。

いつしか私の目はテーブルに注がれていました。 テーブルに何があったのでしょうか。何のことはないです。灰皿と コースターがあったのです。でもこれが他では買えない様な 「UCC CAFE TRAIN」という文字とC62の雄姿が描かれた すてきな物だったのです。私はどうしてもこれが欲しくてウェイトレスさんに聞い てみました。「これは、どこかで売ってますか?」と。 すると「前の売店で販売しております」とのことでした。 これは買いだと思った私はコースターと灰皿を購入しました。 この他にもコーヒーカップなどがありました。

座席に戻ろうとした時、テーブルの上にノート(SLひとりごと) が置いてあるのに気付き思わず書き込みをしてしまいました。汽車は猛 然と黒煙を吐き出します。倶知安峠に差しかかったのです。あと僅かで 終着、倶知安駅に到着です。11時14分。空は皆の到着を祝してくれ ているかのように、晴れ渡ってきました。ニセコアンヌプリや羊蹄山も 綺麗に映えています。気温は上がり上着を着ていると暑いくらいです。 倶知安駅のホームでC62をバックに記念撮影をします。

私の乗車した以降には、このC62ニセコも倶知安駅からニセコ駅まで延長運転さ れていましたが、UCCも手を引き、さらに運営面などの関係で定期的に 走ることは無くなってしまったようです。

−47−完−


Written By marumi.